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2011-03-19

私がセ・リーグ3/25開催派に転向した理由

冷麺はつい先日「プロ野球は予定通り開幕すべきか?」という記事で、開幕は延期すべきとの主張を書きました。
なぜ延期すべきと考えたのか簡単に言いますと「安全面が未知数の状況である」ということです。

ところがその記事を書いてからわずか2日後、冷麺は開催派に転向することを決意しました。
きっかけはスポニチのサイトに上がった妙な記事です。

  • 妻と息子は行方不明 被災の巨人ファン「球団に裏切られている 悲しい」  (削除済みです) (スポニチ) [ 2011年3月18日 06:45 ]
  • に書いている通り、スポニチのサイトからは既に削除済みです。
    ところがインターネッツの世の中は便利なもので、googleさんがキャッシュを残してくれました。

  • googleのキャッシュ
  • 2011/03/19 AM3:00現在はgoogleのキャッシュで読めるようです(興味が有る方はお早めに)。

      <2011/03/22追記>
      googleのキャッシュからも消えてしまったようですね。
      削除後のページをgoogleのロボットさんが更新したものだと思いますが、そうじゃないとしたら…
      興味のある方は(妻と息子は行方不明 被災の巨人ファン「球団に裏切られている 悲しい」)でググってみてください。
      きっと辿り着けます。こちらから

    件の記事ですが、宮城県在住の被災者の男性が、セ・リーグ3/25開催のニュースを知り、思わず悲しみで涙を流したというものです。
    この男性は津波により妻と長男が流されて行方不明となっており、東京ドームのナイター開催での電力消費に憤りを感じたようです。
    深い悲しみと巨人に対する憤りを切々としたためてスポニチにメールを送った模様です。
    記事ではそのメールが抜粋されています。
    男性は30年来の巨人ファンで行方不明のご子息も巨人ファンだそうですが、巨人への絶縁状とでも言える内容になっています。

    まるで慟哭が伝わってくるかのような胸を打つ記事ですが、冷静に考えるとこの記事はどうもおかしい

    とりあえずこの男性は何らかの形でスポーツニュースをチェックしてる訳ですよね?
    テレビかラジオか、新聞かスポーツ新聞か、あるいはPCや携帯などのインターネット上の情報なのか。
    肉親が津波でさらわれた被災者として自然なんでしょうか?
    津波でさらわれたとなるとおそらくは避難所暮らしかと思われます。
    避難所も場所により様々でしょうが、電気と通信が厳しい所も少なくないと伺っております。
    とにかく何らかの形でスポーツニュースをチェック出来るんでしょうね。
    肉親の安否よりスポーツニュースを優先することなど、よもや有り得ないでしょう。
    ですから、たまたま見ていたテレビ、たまたま聞いていたラジオ、何気なくめくった新聞で3/25セ開幕を知ったと推測できます。
    ネット系はちょっと考えにくいですねえ。
    避難所でどうなのかというのもありますし、必要な情報にダイレクトにたどりつけますからね。
    まあヤフー等の総合ポータルサイトからアクセスすることも考えられないわけではないですが。

    今一つ釈然としませんが、ニュースを知り得る状況はいくつか考えられます。
    ともかくこの男性は3/25セ開幕を知ってショックを受けたわけです。
    そして悲しみのあまり、マスコミ(スポニチ)にメールを送ることを決心します。
    ……ちょっと待ってください。最低限ネットはつながっていることになりますね。スポニチにメールを送れたんですから
    ここまで個人的な思いが詰まったメールを他の人に言付けて送信してもらうのはあまりにも不自然です。
    ネットが使える環境にある被災者が取る行動としてこれはどうでしょうか。
    ましてこの男性は肉親が行方不明になっているんです。
    肉親の安否を心配するよりスポニチにメールを送信するのが優先だったんでしょうか?

    不思議な部分はまだあります。
    この男性の憤りの矛先が、なぜか巨人に直結してるんですよね。
    3/25セ開幕に心を傷付けられたのなら、プロ野球そのものである日本野球機構(NPB)、もしくはセ・リーグに抗議すべきではないでしょうか?
    これを解釈するとなると、おそらくナベツネ氏か清武球団代表のコメントを見た/聞いた/読んだということでしょうか。
    確かにナベツネ氏は「こういうときには何もやらない方が良いというのなら、(パは)勝手にしろ」と相変わらずの放言ぶりです。

    が、これは3/25セ開幕の正式決定日3/17の前日3/16の巨人の激励会における放言ですから、辻褄があいません。
    そもそもナベツネ放言が気に障るなら球団再編騒動のときに巨人を見捨てるのが自然ではないでしょうか。
    ましてこの男性は宮城在住ですので、楽天という格好の受け皿があったのに、ナベツネで巨人を見放すのは今更です。
    ならば清武球団代表のコメントが刺激したのでしょうか? 引用してみます。

     巨人・清武英利球団代表
    「私たちができるのはやっぱり野球。
    野球を通じて利益を上げ、それを社会に還元したり、義援金を被災地に届けたりできる。
    それが感動につながるのかもしれない。自粛するより行動する方を選んだ」

    どうでしょうか。私には酷いコメントには思えないのですが。
    まあ勘繰る立場の人ならまず開催有りきの冷たさを若干感じるかもしれません。
    それにしたってリーグすっ飛ばして巨人に直結するのは変な話です。

    メールによれば、莫大な電気を消費する東京ドームのナイターがこの男性の心を傷付けた決定打になったようです。
    ……この男性はメールを打ってますよね。電気はどこから来たんですか?
    PCなら文句無しに電気が来ています。携帯でも充電は必要です。
    いえいえ、定期的な停電に悩まされているかもしれません。発電機で起こした貴重な電気の可能性も考えられます。
    なけなしの電池から充電した携帯でメールしてる可能性もあります。
    ……そんな状況ならますますうかつにメールなんか出来ませんよね
    そこまで電気が貴重な状況で打つメールがこれなんでしょうか?
    重ねていいますが、この男性は肉親が行方不明になっているんですよ?

      前回の記事で書きましたが、冷麺は阪神淡路大震災で被災しております。
      そのときに感じた被災者心理とこの男性の思いは、どうも違うようです。
      よく「○○で被災者に勇気を与える」とか言うじゃないですか。
      ○○がプロ野球とかのスポーツだったり、あるいはテレビのバラエティ番組でも何でもいいです。
      あれって本当です。ウソくさいと思いますか?
      冷麺の感覚としては、テレビ番組等は、被災地の不便な生活の域外にある普通の生活の象徴でした。
      被災地域外の普通の生活は、やがて復旧で取り戻せるはずの地続きの希望です。
      ですから極力自粛なんかしてほしくありませんでした。道標がしみったれてちゃそれこそ希望が持てませんよ。
      まあオウム事件とのコンボで半ばヤケクソ気味で訳分からなかった部分もありますがw

    それでも被災者の心理は人それぞれでしょう。
    この男性は3/25セ開幕に痛切な悲しみを感じて、スポニチにメールを送った。
    無いとは言えません。可能性はあります。
    極限状況の中で人は混乱します。どんな行動に出ても不思議はありません。
    多少の矛盾は起こり得ます。

    なら何故スポニチは記事を消したのか?

    募集もしてないメールをわざわざ記事として載せるなんて異例ですよ。
    それだけ知ってもらいたいこと、読者に訴えたいことがあったはずです。
    何故消す必要があったんでしょうか?

    もっともな理由としては、この男性がメール掲載を許可しなかったことが思いつきます。
    最初から掲載不許可だったのをスポニチの記者が見落としていた?
    掲載が嫌なのに、書くだけでなくスポニチにまでメールしますかね?

    気持ちこそ伝わってきますが、このメールは支離滅裂な内容です。
    後になって男性が恥ずかしくなって、掲載は勘弁してくださいとなったんでしょうかね?
    でもスポニチは掲載してしまったんです。
    プロの文屋がこの支離滅裂なメールを、これは掲載するべきと一時は判断したんです。
    それについてはメールの真贋は関係無いです。
    スポニチにはなんらかの狙いが有ったことだけは確実です。

    …小ネタのつもりだったのですが長くなりました。いったん記事を終わります。
    このスポニチ記事に限らず、セ開幕の一連の報道には大げさに言えば世論誘導のような気持ち悪さを感じます。
    記事を改めて書きますが(書きました)、これは世論誘導なんて高尚な物ですらないです。
    この辺りのうさん臭さが冷麺が3/25開催派に転向した理由です。
    続く

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    コメント

    3月25日は金曜日、帰宅時間帯に万が一不測の大規模停電が発生したら、セ・リーグに責任が無かったとしても、セ・リーグおよびセ・リーグファンがスケープゴートにされてしまうかも知れません。この時期に無理に開催する必要は無いと思います。元気づけたくても被災者の多くが中継を見ることも見る余裕も無いような気がします。それに、3月25日はフィギュアスケートの世界選手権であり、東北地方の被災者が元気をもらうとすれば、そちらの方なのでは・・・。

    投稿: hide1960 | 2011-03-19 17:28

    hide1960様、コメントありがとうございます。
    スケープゴートというのは正にその通りで、マスコミが安直に記事を書くために巨人は都合の良い存在です。
    事故があろうとなかろうと巨人は叩かれます。
    マスコミは巨人にちょっとは感謝してもらいたいですねw
    その辺りについて冷麺の考えを「私がセ・リーグ3/25開催派に転向した理由(その2)」に書きました。
    冷麺の筆力不足によりまだ完結していませんが、もし宜しければそちらもお読みください。
    それから勇気付けるには、何も中継を見せる必要はないんですよ。
    新聞やスポーツニュースの結果だけでもいいんです。それだけで日常とのつながりを感じて希望がわいてきます。
    普通に日常活動することこそが、被災者を勇気付ける一番の方法です。
    冷麺の個人的な感想に過ぎませんが……

    投稿: 冷麺 | 2011-03-20 00:23

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